令和5年度県立高校入試の全体状況が公表されました。
昨年度3月に行われた県立高校一般入試の全体状況が公表されました。
5教科合わせての平均点か144.5点と、過去5年間で最も低い結果となっております。入試問題の単純な難化も考えられますが、階級別点数の分布をみると、生徒同士の学力の差が大きくなっている傾向が見られます。
10点区切りの階級の割合を見ると①0点~99点=23.9% ②100点~199点=57.8% ③200点~299点=18.6%となっています。
中央の100点~199点の割合が多いのはもちろんですが、0点~99点の割合も23.9%と高くなっております。
30人学級に置き換えると、0点~99点=6人 100点~199点=18人 200点~299点=6人となります。志望校に向けて点数がしっかりとれている生徒と、とれていない生徒に2極化している傾向があります。
また中央の140点~149点(平均点144.5点)の割合よりも、120点~129点=6.6%、130点~139点=6.5%と、平均点より点数が低い生徒の割合が高くなっています。
合計点の分布状況を見ても、令和4年度は平均点と近い点数をとれている生徒が多かったのに対し、令和5年度は平均点より点数が低い生徒の割合が多くなっています。
平均点が最も高い割合になるはずでですが、昨年度の入試は、平均点に届かなかった生徒が多いことがわかります。
令和4年度よりも平均点は数学以外下がっていますが、各教科を見るとそれぞれ傾向が見られます。
【国語】平均点の階級を中心にきれいな分布になっています。受験生のもっている実力がしっかり出せる入試問題だったことが予想されます。
【社会】平均点の階級が最も多くなっていますが、10点~19点の階級の割合も高くなっています。社会は暗記科目で最後の詰め込みで点数が取れるというイメージの受験生もいますが、教科書内容の改訂・難化で直前の対策だけでは入試で点数が取れない入試の今後も変わっていく可能性があります。
【数学】平均点の階級よりも、その上の30~39点の階級が最も多くなっています。数学の力がある生徒が多くなっていますが、英語数学が勝負になりやすい上位校(上野丘・舞鶴・豊府・大分西)の受験生は、より高い数学の実力が必要になります。
【理科】平均点の階級が最も高く、平均点は下がっていることから内容の難化が予想されます。暗記内容が減少し、実験・計算・思考問題などよろ広く深い知識が必要となります。
【英語】最も平均点が下がり、また平均点の階級よりも10点~19点の階級の割合が最も多くなっています。1点~9点の階級も合わせると約4割の生徒が19点以下となっています。指導単元が下の学年に落ち内容が難しくなったことも考えられます。また英語の力をつけるために小学校での英語必修化が行われましたが、コロナと重なり、小学校のうちにすべき内容が定着できなかったことも可能性として挙げられます。
単年の考察は各学校、塾で行っていますが、今年度の入試がどうなるかは当日問題を見るまではわかりません。1つの結果に一喜一憂することなく、目の前の定期テスト・実力テストをしっかりと取り組んで、試験後のやり直しをすりことが、最も入試に向けての大切な対策になります。